着物・袴の選び方

袴と着物の違いって?袴コーデを彩るアイテムも覚えておこう

日本の伝統衣装でもある袴と着物には、違いがあることはご存じでしょうか。
袴は卒業式、着物は成人式で着るものだとイメージはあっても、その違いがどのようなところにあるのかがわからない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、袴と着物の違いを、それぞれの種類とともにお伝えします。
卒業式袴を選ぶときにこだわりたいアイテムも紹介しますので、満足のいく袴スタイルに仕上げるために、ぜひお役立てください。

目次

袴と着物は何が違う?

一見すると同じように感じられる袴と着物には、デザインから着付け方、着用シーンに至るまでさまざまな違いがあります。

袴と着物の違い

着物
デザイン 柄が少なくシンプルなデザインのものが多い 伝統的な文様が入った華やかなデザインのものが多い
着付け方 着物の上から袴を穿き、紐を締める ●肌着や長襦袢(ながじゅばん)の上から着物を羽織り、腰紐を締める

●おはしょりや衿元を整えて帯を締める

主な着用シーン ●卒業式

●武道の稽古

●ハレの日

●観劇

●食事会

 

袴は着物と合わせて着用し、着物は一枚の布を身体に巻き付けて着るのが基本のスタイルとなります。
つまり、袴はボトムスのような役割を、着物はワンピースのような役割をもつということです。
また、主な着用シーンを見れば、それぞれがもつ役割が異なることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

こうした違いを知っておくだけでも、卒業式袴を選ぶ時間をより楽しめること間違いなしです。

次項からは、似ているようで違う袴と着物について、その歴史や種類、特徴などを詳しく解説していきます。
知識を深めて、素敵な袴スタイルに仕上げましょう。

袴とは

袴とは、洋服でいうスカートやズボンなどのボトムスに該当する和服を指します。
卒業式のときに穿くものとは種類が異なりますが、剣道や合気道をはじめとする武道の道着、また巫女が着用する衣装も袴です。

着物の裾を、本来よりも短い位置になるように着付け、その上から着用するのが基本です。
フレアスカートのようにふわりと広がるため、足さばきがよく、動きやすい点は袴の大きな魅力といえます。

卒業式に袴を着るようになったのはなぜ?

女性が卒業式に袴姿で参列するようになったのは、袴に学業と結びつく歴史があるためです。

袴は、もともと平安時代、宮中で身分の高い女性が着用していた衣服で、“緋袴(ひばかま)”や“紅袴(くれないのはかま)”とよばれていました。
十二単の一部としてなくてはならないものでしたが、時代の変化に伴い、女性が袴を着る機会はだんだんと失われていきます。

女性が再び袴に足を通すようになったのは、女子教育が始まった明治時代に入ってからです。
優美さと機能性を兼ね備えた袴は、椅子に座っても着崩れる心配が少なく、学業に専念できる装いとして、女学生の制服に採用されました。

華やかな袴姿で颯爽と歩く女学生は、それだけで注目の的となり、のちに新聞小説のヒロインになったり雑誌のグラビアページに描かれたりするようになったといわれます。

このような歴史を経て、袴は“学びの場における女性の象徴”また“新時代を生きる女性の象徴”とされ、未来へと羽ばたく卒業式での衣装となったのです。

【関連記事】卒業式にレンタルする袴の種類とおすすめ配色コーデ

緑よろけに菊×茶kansai矢絣

着物とは

着物とは日本で発展し、古くから親しまれてきた衣服全般のことを指します。
袴を含む和服の総称であり、どれか一つの衣服を指しているわけではありません。

もともと日本では“着”る“物”、つまり衣服は、すべて着物とよばれていました。
しかし、文明開化によって西洋をはじめとする外国から洋服の文化が入ってきたことで、衣服を区別するための言葉が必要になったのです。
そこで、日本在来の衣類は着物(和服)、見た目やつくりの異なる西洋の衣類を洋服とよぶようになりました。

日本人ならではの美意識と感性が詰まった着物は、“着るアート”と称されるように、世界中から高い評価を得ています。

女性が着用する袴の種類

袴は、性別によって着用する種類が異なります。

男性の場合は、股の部分に仕切りがある“馬乗り袴”を着用するのが一般的です。
名前の通り乗馬の際に着用する袴として、江戸時代に誕生しました。
現在では、成人式や結婚式などで着用されています。

一方で女性の場合は、股の部分に仕切りのないスカートタイプの袴が定番です。

では、女性が身に着ける袴を、もう少し深掘りしていきましょう。

女袴

女性が着用する袴の代表ともいえるのが、女袴(おんなばかま)です。
明治時代に女学生の学生服として定着した袴で、行灯袴(あんどんばかま)ともよばれています。
スカートのようにひらめくシルエットが美しく、袴姿をより上品に、そして可憐にみせてくれます。

また、女袴には腰を支えるコルセットのような硬い芯がありません。
そのため、着用時に「締め付けられて苦しい……」と感じにくい点が大きな魅力です。

座ったり移動したりすることの多い卒業式において、軽快に着こなせるのはうれしいポイントです。

差袴

差袴(さしこ)は、神職が着用する袴を指します。
キュロットスカートタイプのものもありますが、女子神職の場合はスカートタイプの差袴を身に着けるのが一般的です。

女袴とは違い、差袴には“上指糸(うわさしいと)”という白色の糸で縫われた装飾が施されています。
着付けの際は、この上指糸が見えるようにすると、より美しく着こなせます。

袴以外の着物には何がある?

着物と聞くと、振袖や訪問着などを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし先ほどお伝えしたように、着物は和装の総称ですから、カテゴリーでいえば袴や甚平、羽織なども着物に含まれます。

では、代表的な着物の種類としては、どのようなものがあるのでしょうか。
袴についての理解を深める意味でも、着物の文化や歴史をおさらいしておきましょう。

【関連記事】袴に合わせる着物に決まりはある?

振袖

まず挙げられるのが、未婚女性の正礼装でもある振袖です。
着物のなかでもっとも格式が高い“第一礼装”に該当し、晴れ着として、成人式や結婚式などで着用されます。

そんな振袖は、腕を振ると揺れるほど袖丈が長いのが特徴で、長さによって種類が異なります。

振袖の種類

特徴
大振袖 ●婚礼衣装として用いられる

●振袖の種類のなかでもっとも格式が高い

中振袖 ●成人式や結婚式などのお祝いの席で着用される

●華やかで美しいデザインのものが多い

小振袖 ●一般的には卒業式で着用される

●軽やかでフレッシュな印象を与える

 

TPOに合わせて適切な振袖を選択できるよう、これらの違いは押さえておきたいところです。

留袖

振袖と同様に第一礼装に該当する留袖は、既婚女性が着用する着物です。

留袖には“黒留袖”と“色留袖”の2種類があり、どちらも結婚式や披露宴などの祝福の場面で着用されます。
ただし黒留袖を着用できる人は限られており、新郎新婦の母親や祖母、仲人夫人といった、主役の二人と間柄の近い人のみが対象です。
既婚女性であっても、参列者が着用するのはタブーであることは覚えておきましょう。

また留袖には、裾に美しい金彩の文様が施されています。
振袖のように豪華なイメージを与えるわけではありませんが、目を引くデザインで落ち着いた大人の雰囲気を演出できる着物です。

訪問着

フォーマルシーンはもちろん、カジュアルシーンでも着用できる着物が、訪問着です。

未婚既婚に関係なく誰でも身に着けられるため、あらゆる場面で活躍する優れものです。
紋がついているかどうかで格が変わり、紋が入っている場合は“準礼装”、紋がない場合は“略礼装”となります。
訪問着は、着用するシーンに合わせて適切なものを選ぶのが大切です。

また、訪問着はカラーやデザインも多種多様で、自由にコーディネートを楽しめます。
たとえば卒業式なら、無彩色以外の明るいカラーで、松竹梅や蝶といった吉祥文様が入った訪問着を選ぶとよいでしょう。

また、お茶会のようなカジュアルな場であれば、桜や椿など、季節を感じさせる絵柄の訪問着がおすすめです。
その場合は今の季節ではなく、次の季節を先取りした絵柄を選ぶと、粋に着こなせます。

浴衣

夏のイベントでのおしゃれ着として、また温泉を堪能したあとの部屋着として、一度は浴衣を着た経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
夏の風物詩の一つでもある浴衣は、カジュアルシーンで着用される着物です。

もともとは蒸し風呂に入る際に身体を隠す、またやけどを防ぐ目的で着用された着物で、外出用ではありませんでした。
次第に湯上り着や寝間着へと変わり、江戸時代後期になってから銭湯の普及とともに、外出用の着物として庶民のあいだに広まったといいます。

ほかの着物とは違い、夏を涼しく過ごせるよう風を通す素材でつくられているので、浴衣を着る際は、下着の役割をもつ長襦袢は着用しません。

袴にはどのような着物を合わせればよい?

着物にはシーン別にさまざまな種類があるため、「卒業式では、袴にどの着物を合わせればいいの?」と悩む方もいらっしゃいますよね。
結論から申し上げますと、既婚女性が着る留袖以外であれば、どれを合わせても問題ありません。

実際に袴と合わせることの多い着物は、以下の通りです。

袴に合わせる着物

  • 中振袖
  • 小振袖
  • 訪問着

それぞれ異なる雰囲気に仕上がるため、ご自身のなりたいイメージに合わせて選ぶとよいでしょう。
たとえば、成人式に着た中振袖の場合はゴージャスな印象を、小振袖の場合はアクティブかつキュートな印象を与えます。
また、訪問着であれば、エレガントな雰囲気を演出できますよ。

【関連記事】袴に合わせる着物に決まりはある?

おしゃれな袴スタイルに仕上げるためのアイテム

卒業式袴を考える際、忘れてはならないのが小物です。
小物にこだわることで、さらにハイセンスな袴スタイルが完成します。

以下では、コーディネートに個性と深みを加えるアイテムの一例として、髪飾りと重ね衿、履物の3つを紹介します。

髪飾り

袴スタイルにおいて、髪飾りはコーディネートの要となるアイテムです。
絶対に必要というわけではありませんが、頭部は視線が集まりやすいパーツですから、付けるのであればこだわって選びたいところです。

そんな髪飾りの例としては、以下のようなアイテムが挙げられます。

髪飾りの種類

  • アートフラワー
  • つまみ細工
  • 水引・組紐
  • かんざし
  • リボン
  • ヘッドドレス
  • 帽子
  • パール
  • ピン
  • 金箔

古くから親しまれている伝統的なものから、いまどきのものまで、袴スタイルを彩る髪飾りには、自分らしさを演出するさまざまな素材や見た目のものがあります。

「どれがいいかな……」と悩んだときは、ヘアスタイルやなりたい雰囲気に合わせて選んでみてください。
たとえば、大正ロマンを感じさせる着こなしにしたいなら、大きめのリボンがぴったりです。
現代風に着こなしたいなら、チュールやレースがあしらわれたトーク帽がよいかもしれません。

顔周りが華やかになるだけで、よりおしゃれな袴スタイルへと近づきますよ。

【関連記事】卒業式袴にぴったりな髪飾りの選び方を紹介

黒・赤矢がすり×グレー×黒ぼかし

重ね衿

着物を重ね着しているように見せるアイテムを、重ね衿といいます。
“礼装では、着物を重ねて着る”という昔の習慣の名残から誕生しました。

重ね衿は衿元からほんの少し見える程度ですが、これがあるかないかで印象が変わるため、ぜひ取り入れたいアイテムの一つです。
その種類は豊富で、単色のシンプルなデザインのものだけではなく、素材やディティールにこだわったものもあります。
例を挙げると、かっこいい袴スタイルにぴったりなメタリック素材の重ね衿や、甘さをプラスするレースやフリルの重ね衿などです。
写真映えも抜群ですから、ひときわ輝く卒業式袴に仕上がるはずです。

履物

「袴スタイルには、草履とブーツのどちらを合わせよう?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
履物を選ぶときは、コーディネート全体の雰囲気に合わせると、統一感が出ておしゃれ度がアップします。

伝統的で上品なスタイルにしたいなら草履、レトロモダンな装いにしたいなら黒色のブーツがおすすめです。
また近年では、くすみカラーの淡い卒業式袴が流行していることを受け、それに合わせて白色のブーツを選ぶ方も増えています。

黒小花ちらし×赤

袴と着物はデザインや着付け方が異なる!素敵な袴スタイルにしたいなら、小物にもこだわろう

今回は、「袴と着物は何が違うの?」という疑問にお答えしました。

袴と着物には、デザインから着付け方、着用シーンに至るまで、さまざまな違いがあります。
着物の上から穿く和服が袴で、日本在来の和装全般を指すのが着物です。

袴に合わせる着物は自由なため、中振袖や小振袖など、ご自身の気に入ったものでコーディネートを楽しみましょう。
そして、卒業式袴をおしゃれに着こなしたいのであれば、小物もこだわって選ぶのが望ましいです。

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※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※

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この記事の監修者

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中田和代

kazuyo Tanaka

《資格》

日本和装教育協会
専門科 高等師範科 修了
教授科 修了
講師資格 (師範)
花嫁科 修了
時代衣装科 修了
プロデュース科 修了

一般社団法人全日本着付け技能センター
着付け技能士1級