着物・袴の選び方

袴に合わせる着物に決まりはある?

卒業式に向けて袴と着物を準備しているなかで、「私の知らない決まりやマナーってあるのかな……?」と不安に思われた経験はございませんか?
袴をはく機会は多くありませんから、そうした心配をしてしまうのも無理はありません。

そこで本記事では、袴に合わせる着物の決まりを明らかにしたうえで、組み合わせの例も紹介いたします。
「自分に合ったコーディネートで最高の卒業式にしたい!」とお考えなら、ぜひ参考にしてください。

卒業式ではく袴のコーディネートに決まりはある?

卒業式という大事な舞台で着る袴と着物の組み合わせに、決まりやマナーはあるのでしょうか?

結論、「この組み合わせが正しい!」とされるような決まりごとは特にありません。
留袖は既婚女性が着るものなので避けたほうがよいですが、そのほかの着物、たとえば振袖や訪問着などは、好みに合わせて選んでも差し支えないでしょう。

ですが、一般的には袴と振袖でコーディネートするケースが多くみられます。
元来、振袖は未婚女性が着るものとされており、その考えから卒業式で着用する着物も振袖が望ましい、とされているようです。

袴に着物を合わせる際のコーディネート例

袴に合わせる着物としては、主に次の5つが挙げられます。

袴に合わせる着物の一例

  • 小振袖(二尺袖)
  • 中振袖
  • 一尺三寸袖
  • 訪問着
  • 小紋

ここからは、卒業式袴とこれらの着物のコーディネート例を、種類別に紹介いたします。
以下の例を参考に、一生の思い出に残るような素敵なコーディネートを考えてみましょう。

小振袖(二尺袖)とのコーディネート

振袖には『小振袖』『中振袖』『大振袖』の3種類があります。
卒業式で袴と合わせるのであれば、ここで解説する小振袖か、次に紹介する中振袖のどちらかを選びましょう。
なお、袖丈が約114cmもある大振袖は基本的に婚礼用の衣装なので、卒業式に着ていくのはおすすめしません。

小振袖は“二尺袖”とよばれることもあり、その名の通り袖丈が約76cmで短いのが特徴です。
普通の振袖よりも可愛らしい雰囲気があるほか、見る人に軽やかで活発な印象を与えられます。
着たままでも動きやすいので、卒業式を終えたあとに食事会やほかのイベントがある場合にもうってつけです。

近年流行りのスタイルなので、レンタル衣装でも多く取り扱われています。
「定番の着こなしで卒業式に出たい!」とお考えなら、ぜひこの組み合わせをお試しください。

中振袖とのコーディネート

袴と中振袖の組み合わせも、卒業式へ着ていくのにおすすめのコーディネートです。

中振袖は袖丈が長く柄がしっかりと見えるので、非常に華やかな印象を与えられます。
「成人式のために用意した中振袖が家にある」という方は、それをそのまま卒業式用の衣装として使っても問題ありません。

一尺三寸袖の着物とのコーディネート

袖丈の短い着物がお望みなら、一尺三寸袖の着物もおすすめです。
一尺三寸袖の着物は小振袖よりも袖丈が短く、よりカジュアルな着こなしができます。
特別なシーン以外で使うことも多いので、ご家庭にすでにある、という方もいらっしゃるかもしれません。

一尺三寸袖の着物には、訪問着や小紋、色無地、付下などさまざまな種類があります。
色や柄もそれぞれ異なるので、袴と合わせる際はしっかりチェックしたうえで、卒業式の場に最適なコーディネートに仕上げたいところです。

訪問着とのコーディネート

一尺三寸袖の着物の一つである訪問着は、未婚・既婚に関係なく着用できる着物で、一着あれば多種多様なシチュエーションで活躍してくれます。
もちろん、卒業式に袴と合わせて着ていっても問題ありません。
色や柄次第で比較的自由に雰囲気を変えられるので、ご自身で思い描いた理想のコーディネートをとことん追及できます。

暖色系の明るい色や華やかな柄の訪問着は、新たな門出でもある卒業式の明るいイメージにピッタリ合います。
反対に、シックで落ちついた雰囲気を出したいなら、主張しすぎない色・柄で袴と訪問着を揃えてみましょう。
その際、髪飾りなどの小物には華やかなものを選んでおけば、フレッシュさがプラスされてバランスよくまとめられます。

【関連記事】袴を着るときに用意すべき小物にはどのようなものがある?

小紋とのコーディネート

一尺三寸袖の着物の代表例としては、ほかに小紋も挙げられます。

小紋は本来礼装用ではなく普段着として用いられる着物なので、訪問着ほどのフォーマルさはありません。
しかしだからこそ、カジュアルさを前面に出したいのであれば最適な選択肢となります。
また、“小紋”という名前からもわかる通り、小さく細かな模様が柄としてあしらわれているのも特徴的です。
振袖よりも控えめなデザインで、エレガントな雰囲気を醸し出せます。

袴と合わせる際は、トータルでの雰囲気を考慮して色を選びましょう。
特に卒業式用にコーディネートする際は、あまりカジュアルになりすぎないように、袴は紺や黒にしておくのが無難です。
反対に、春の雰囲気に合わせて、あえて明るい色合いで統一してみるのも面白いアイデアです。
組み合わせ次第で印象が大きく変わるので、ご自身がベストだと思う卒業式コーディネートを探してみてください。

袴に着物を合わせる際のポイント

コーディネートを考える際には、袴と着物の組み合わせ以外にも意識したいポイントがあります。

配色の方向性を決める

袴と着物の配色は、装い全体の雰囲気を決める非常に重要な要素です。
基本的には、“同系色で揃える”か“反対色でコントラストを利用する”のどちらかをベースにして、色合いを決めていくことになります。

同系色でまとめると、全体的に統一感が出て、すっきりと洗練された印象を与えられます。
具体的には、紺色と水色、エンジ色とピンク色などの組み合わせです。

メリハリのある印象深い着こなしがしたいのであれば、反対色でまとめるのがおすすめです。
紫色の袴に黄色の振袖を合わせる、といった感じでそれぞれが引き立て合うような配色ができれば、個性的でおしゃれな装いに仕上がります。

同系色と反対色の方向性以外に、色がもつイメージも考慮しておきたいところです。
大人の雰囲気が強く出る黒系、清楚なイメージの白系、華やかさを感じられる赤やオレンジ系など、色が違えば周囲からの見え方も大きく変わります。
「どんな自分で卒業式に出たいか」を事前にイメージしたうえで、それが叶うような配色でコーディネートできると理想的です。

立ち居振る舞いに気をつける

中振袖のような、袖丈の長い着物を合わせる際には、袖を引きずったり踏んだりすることがないように気をつける必要があります。
せっかくの晴れ着が汚れてしまいますし、見栄えもよくありません。
階段を上り下りする際は袖を腕にかけ、椅子に座るときも袖を膝の上に置くなどして、地面につかないように気を配りましょう。

中振袖を着ることにこだわりがないのであれば、小振袖や訪問着を選ぶのも一案です。
袖丈が短いので動きやすく、卒業式のあとに謝恩会やパーティーがあっても困らないでしょう。

足元のコーディネートまで考える

袴に合わせるのが小振袖や訪問着などであれば、ブーツと草履のどちらを選んでも問題ありません。
ただし中振袖を着る場合は、履物には草履を選ぶのが無難です。
その理由は、袴を着付けるときの全体のバランスにあります。

ブーツを履く場合は、裾が足首くらいの高さになるようにやや短めに袴を着付けます。
このとき合わせている着物が中振袖だと、腕を下げたときに、袖先が袴の裾先の下にきてしまうのです。
こうなると全体がアンバランスになり、見栄えも悪くなってしまいます。

草履の場合は、くるぶしが見えない程度の高さで袴を着付けるので、上記のようなことが起こる心配がありません。
袴に中振袖を合わせるなら、全体のバランスを考えて草履を履きましょう。

卒業式にはおすすめできない組み合わせ

袴と着物の組み合わせに原則決まりはありませんが、あまりにもカジュアルな組み合わせは避けるべきでしょう。
比較的自由にコーディネートができるとはいえ、卒業式もフォーマルな場であるからです。

特に訪問着や小紋など袖丈の短い着物は、使われている素材が紬や木綿、ウールだと、カジュアルすぎて卒業式には適さないかもしれません。
卒業式での装いを決める際は、上記の素材が使われている着物を候補から外すことをおすすめします。

コーディネートに困ったときは?

袴と着物の組み合わせは十人十色ですが、それだけ自由だからこそ、「あれもいいけどこれもいい……」と悩んでしまうこともありますよね。
そもそも、家に袴や着物がなければ自由にコーディネートすることもできません。

そんなときには、卒業式袴のセットをレンタルしてみてはいかがでしょうか?
専門店なら多種多様な選択肢が用意されているので、ご自身のイメージ通りの組み合わせをきっと見つけられます。
小物までレンタルできるサービスなら、卒業式当日の持ち物が少なくて済むのもうれしいポイントです。
また袴だけ、あるいは着物だけある場合は、持っていないほうをレンタルして間に合わせるのも一つの手です。

【関連記事】赤色の着物に合う卒業式袴の色は?人気の組み合わせを紹介!

卒業式袴に合わせる着物に決まりはない!自分なりにコーディネートしてみよう

今回は、袴に合わせる着物の決まりやコーディネート例のほか、袴と着物を合わせる際のポイントなどを解説いたしました。

卒業式袴に着物を合わせる際、絶対に守らなくてはならない決まりはありません。
小振袖や中振袖など、いろいろな着物を組み合わせることが可能です。
そのうえで、配色の方向性や立ち居振る舞い方など、いくつかのポイントを意識することも大切です。
自分らしい着こなしで、最高の卒業式にしましょう。

もし袴の着こなしのことでお悩みなら、卒業式袴レンタル店のアンジュにお任せください。
豊富なラインナップのなかから、学生生活の最後を飾るのにふさわしいコーディネートをご提案いたします。

※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※

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この記事の監修者

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中田和代

kazuyo Tanaka

《資格》

日本和装教育協会
専門科 高等師範科 修了
教授科 修了
講師資格 (師範)
花嫁科 修了
時代衣装科 修了
プロデュース科 修了

一般社団法人全日本着付け技能センター
着付け技能士1級