着物・袴の選び方
【初心者向け】袴のたたみ方|基本の手順や保管方法を解説

卒業式や成人式などで着る機会の多い袴ですが、着用後に「どうやってたためばよいのか?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。袴は着物とは異なる構造をしており、たたみ方にもコツがあります。
この記事では、初心者でも簡単にできる袴のたたみ方を、ステップごとに分かりやすく解説します。きれいに仕上げるコツや保管のポイントも紹介するので、大切な袴を長く美しく保つための参考にしてください。
目次
袴をたたむ前に準備するもの
まずは、作業スペースを確保しましょう。畳やテーブルなど凹凸のない、広くて平らなスペースが理想的です。
袴をたたむ際には以下の道具があるとより作業がスムーズになり、仕上がりの美しさにも違いがでます。
- 机かラック
- 袴の下に敷く柔らかい布(ホコリ防止)
- 長めのものさしや突っ張り棒(60cm以上の袴の幅より長いもの)
袴を簡単にたたむ基本の方法
ここでは、初心者の方でも迷わず実践できるように、基本のたたみ方を4ステップで解説します。
ステップ1|袴を広げる
後ろの腰板(硬い部分)が上側、ひだが手前に見えるように向きを整えて、袴を平らな場所に置きます。
紐が絡まっている場合は、この段階で左右に広げて整えておきましょう。
ステップ2|袴にものさしをあてて折り込む
袴のひだの中心部分にものさしをあて、左右の生地を重ねるように順番に折り込んでいきます。ものさしを目安にすれば、折り幅が均一になり、全体の形がきれいに整います。
折り目がズレないよう、ひだ1本ずつを丁寧に重ね、無理に引っ張らずに生地の流れに沿って折りましょう。
ステップ3|三つ折りにする
まず裾を上に折り上げ、全体の長さの1/3程度になるように調整しましょう。
さらに上部を折り下げて三つ折りの形に整えます。
三つ折りにする際、ものさしを生地の折り目に沿って軽くあてながら折るとラインがまっすぐになりやすく、きれいな折り目がつきます。
ステップ4|紐を「出世畳み」でたたむ
紐は強く結ばず、袴の上にふんわりとのせる「出世畳み」がおすすめです。
袴の左右の長い紐を交差させずに、内側に向かって折り返します。中央に寄せるように並べたら、両方の紐を重ねるようにして数回ゆるく折りたたみ、袴本体の上にやさしく置いて仕上げましょう。
きつく結ばず、空気を含ませるようにたたむことで、シワや型崩れを防ぎながらきれいに整えられます。
【関連記事】袴で座るときはどうすればよい?着崩れを防ぐ方法を紹介
袴をきれいにたたむ3つのコツ
ここでは、袴をより美しく仕上げるための3つのコツを解説します。
たたむ前にシワを丁寧に伸ばす
たたみ始める前に、袴全体のシワを手のひらで軽くなでるようにして丁寧に伸ばします。軽くブラッシングをしてホコリを落とすのもよいでしょう。
表面のシワが目立つ場合は、当て布を使いながらスチームアイロンを軽くあてるときれいに整います。
ひだ(プリーツ)をきちんとそろえる
袴の美しさはひだの整え方にかかっています。1本1本丁寧に生地の流れに沿って折りたたみましょう。最後に軽く手で袴を押さえて空気を抜くと、平らで美しい仕上がりになります。
必要であれば、ものさしなどを使って幅をそろえるのも効果的です。
紐の処理はふんわりとたたむ
紐は強く巻いたり結んだりせず、ふんわりと折りたたんで袴の上に収めましょう。紐の跡がつきにくく、次に着用するときも扱いやすくなります。
袴をたたむ際の3つの注意点
袴をたたむときには、小さなミスが型崩れやシワの原因になるので、3つのポイントに注意しながら丁寧に扱いましょう。
湿った状態でたたまない
汗や湿気が残ったままたたむと、カビや臭いの原因になります。着用後は一度陰干しして、完全に乾燥させてからたたみましょう。
アイロンを直接あてない
袴の素材にはポリエステルやレーヨンなど熱に弱いものもあり、直接アイロンをあてると生地がテカり、傷むおそれがあります。
シワを伸ばす際は必ず当て布を使用し、低温設定にして軽くなでるようにあてましょう。
スチーム機能を活用すると効果的ですが、生地が湿りすぎないように注意が必要です。
強い光の下で長時間放置しない
たたむ前に袴を広げたままにしておくと、日差しや照明で色あせの原因になります。できるだけ短時間で作業を終えましょう。
たたんだ袴の正しい保管方法
たたんだ袴は、以下に注意して保管すると長持ちします。
- 風通しがよく湿気の少ない押入れ上段やクローゼットで保管する
- 和装用のたとう紙や不織布袋に包む
- 防虫剤・乾燥剤を使う
防虫剤や除湿剤は袴に直接触れないように袋の外側に入れ、定期的に交換しましょう。
袴を正しくたたんで長持ちさせよう
袴を一度着て終わりではなく、たたみ方や保管方法によってそのあとの状態が大きく変わります。
今回、紹介した基本手順やコツ、注意点を守れば、初心者の方でもきれいにたためます。大切な思い出の品を美しく長持ちさせるためにも、丁寧に扱って保管しましょう。
※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※
この記事の監修者

中田和代
kazuyo Tanaka