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袴の着付けに必要な長襦袢とは?肌襦袢や半襦袢との違い・選び方を解説

卒業式用の袴に、長襦袢(ながじゅばん)は欠かせない小物です。長襦袢は着心地をよくし、着崩れを防ぐ役割があります。また、衿元や袖口から少し見えるため、装いのアクセントにもなります。

本記事では、長襦袢の役割や肌襦袢・半襦袢との違いなどを解説します。卒業式を安心して迎えたい方は、参考にしてください。

長襦袢(ながじゅばん)とは?

長襦袢とは、着物のすぐ下に着る和装用の下着です。直接肌に着物が触れるのを防ぎ、汗や皮脂による汚れを防止します。また、着物を滑らかに着付けられるようにサポートする役割もあります。

長襦袢は衿元のデザインが袖口から見えるため、着物姿の印象を引き立てるおしゃれアイテムとしてもおすすめです。

素材は正絹やポリエステルなどがあり、季節や用途に応じて選ぶ必要があります。

長襦袢が袴スタイルに必要な理由

袴スタイルにおいても、長襦袢は欠かせません。着物の滑りをよくして着付けをスムーズに行うだけでなく、着崩れ防止にも効果があります。

長襦袢に縫い付ける半衿(はんえり)は、顔周りを明るく見せてくれます。衿芯を入れることでうなじが際立ち、凛とした後ろ姿に仕上がるのが魅力です。さらに、首元や袖口のラインが美しく整っているかが見た目の印象を左右するでしょう。

このような細かなポイントが、着姿の完成度に大きく関わります。

長襦袢は淡い色味のデザインが中心

長襦袢は、一般的に薄いピンクや白、淡い黄色など、控えめで上品な色味が多いのが特徴です。着物の下から見えることが前提なため、主張しすぎない色が多く選ばれます。。

フォーマルな場では、白無地の長襦袢が基本とされています。一方、セミフォーマルではぼかし柄、カジュアルシーンでは個性的な柄物も楽しめます。

普段着の着物(おしゃれ着)に合わせる場合は、濃い色やはっきりした柄物など、遊び心のあるデザインを選ぶのもおすすめです。

卒業式の袴スタイルでは、淡い色の長襦袢を選ぶことで、上品さと清楚な印象を演出できます。

肌襦袢や半襦袢との違い

肌襦袢と長襦袢は、どちらも着物の下に着るアイテムですが、役割に違いがあります。

肌襦袢は素肌に直接着るインナーで、汗や皮脂を吸収して着物を清潔に保つのが目的です。吸湿性のよい素材で作られ、外からは見えません。

一方、長襦袢は肌襦袢の上に着用し、着物姿を美しく見せる役割があります。袖や襟元から見えるため、デザイン性も重視されます。

また、半襦袢は長襦袢を簡略化したもので、上半身のみの襦袢です。着用が簡単な反面、格式の高い場には不向きとされる場合があります。

長襦袢の素材・種類

長襦袢にはさまざまな素材があり、それぞれ着心地や扱いやすさ、季節との相性が異なります。おもな素材と特徴は下記のとおりです。

素材 特徴
正絹(シルク)
  • 光沢感があり上品
  • 着心地がよい
  • フォーマル向き
ポリエステル
  • シワになりにくく洗える
  • 初心者におすすめ
ウール(モスリン)
  • あたたかく柔らかい
  • 肌触りがよい
  • 縮みやすく虫食いに注意
  • 通気性抜群
  • 汗をかいても快適
  • 夏におすすめ

仕立てや形状によっては動きやすさが変わるため、素材だけでなく構造にも注目して選びましょう。

長襦袢の選び方

長襦袢は種類が豊富で、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。下記のポイントを押さえることで、失敗なく自分に合った一枚を見つけられます。

  • 袖丈と袴丈のバランスを見る
  • 季節に合った素材を選ぶ
  • 襟元をきれいに見せる半衿(はんえり)を選ぶ

詳しく解説します。

袖丈と袴丈のバランスを見る

長襦袢の袖が長すぎると、着物の袖からはみ出してしまい、だらしない印象になります。長襦袢を選ぶ際には、はじめに着物や袴との袖丈のバランスを見ましょう。

長襦袢は着物の下に着るものです。そのため、二尺袖などの上に着る着物よりも、裄丈と袖丈がわずかに短いものを選びます。

具体的には、裄丈で2~3mm、袖丈で5mm~1cm程度短いのが理想です。

袴スタイルは動きが多くなるため、着姿の乱れが目立ちやすく、サイズ感の調整が大切なポイントです。反対に、袖が短すぎても、袖口から肌襦袢が見えてしまうことも。

着用予定の着物と袴のサイズに合わせ、袖丈や裄丈が収まるサイズを選びましょう。レンタルの場合は、セットになっているか確認しておくと安心です。

季節に合った素材を選ぶ

長襦袢には、下記のように季節ごとの素材や仕立てがあります。

季節 おすすめの素材
単衣(ひとえ)の時期(5・6・9月) 裏地のない一枚仕立てが涼しげで快適
真夏 透け感のある薄物や、通気性に優れた麻素材

卒業式が行われる3月はまだ寒さが残るため、正絹や厚手のポリエステル素材が適しています。気候や会場の環境を考慮し、快適に過ごせる素材を選びましょう。

襟元をきれいに見せる半衿(はんえり)を選ぶ

長襦袢には、半衿(はんえり)と呼ばれる付属の衿が縫い付けられています。着物の衿元から少し見える部分として、着姿の印象を大きく左右するのが特徴です。

半衿は、顔周りの印象を左右する重要なアイテムです。ファンデーションなどの汚れから、長襦袢本体の衿を守る役割も果たします。

半衿(はんえり)のデザインごとに与える印象は、下記のとおりです。

  • 白い無地:清潔感があり凛とした印象
  • 刺繍入りの華やかな半衿:可憐さや上品な華やかさを演出

華やかさを出したい場合は、刺繍が施された半衿を選ぶと、顔周りが明るく可愛らしい印象になります。袴の色柄やなりたいイメージに合わせて、白無地か刺繍入りか選びましょう。

レンタルを利用する際は、縫い付けの必要がない半衿付きの長襦袢がおすすめです。

袴の着付けに必要なもの

袴を美しく着こなすためには、着物や袴だけでなく、さまざまな和装小物が必要です。ここでは、袴の着付けに必要な基本アイテムと、それぞれの役割を紹介します。

  • 袴・着物
  • 着付けに必要な小物
  • 装飾小物
  • 防寒対策グッズ

詳しく見ていきましょう。

袴・着物

袴スタイルの主役は、袴と、その上に合わせる着物です。卒業式の袴スタイルは、基本的に二尺袖(にしゃくそで)と呼ばれる、袖丈の短い着物の上に袴を重ねて着用します。

二尺袖は、動きやすく華やかな柄が多いため、袴とのコーディネートにも最適です。訪問着や色無地、小紋なども合わせられます。

袴は腰から足元までを覆うボトムスで、色や柄によって印象が大きく変わります。着付けの際には、着物の上や袴の下に締める袴下帯(はかましたおび)、または半幅帯(はんはばおび)が必要です。

帯は前面から少しだけのぞくため、着物や袴と色を合わせると全体に統一感が生まれます。体にフィットした着物と袴を選ぶことで、美しい着姿を保てます。

着付けに必要な小物

袴を美しく着付け、着崩れを防ぐためには、さまざまな小物が必要です。

  • 肌襦袢
  • 長襦袢
  • 半衿
  • 衿芯
  • 腰ひも(4〜5本)
  • 伊達締め(2本)
  • コーリンベルト
  • 帯板
  • 帯枕
  • 和装ブラジャー
  • 補正用のタオル

それぞれ着崩れを防ぐために重要な役割を担います。和装ブラジャーや補正用のタオルも用意すれば、体のラインが整って着姿がきれいに仕上がります。

これらの小物は単品で揃えられますが、袴レンタルセットに含まれていることが多いため、初心者は一式レンタルがおすすめです。

装飾小物

袴姿を華やかに彩るためには、装飾小物が欠かせません。代表的なものは、下記のとおりです。

  • 巾着
  • 髪飾り
  • 重ね衿(伊達衿)

巾着は小物を入れる実用性のある和装バッグです。着物や袴と色柄を合わせると統一感が出ます。

髪飾りは、和風のつまみ細工やアートフラワーなど種類が多いため、なりたい雰囲気に合わせて選びましょう。

また、装飾性と実用性を兼ねた重ね衿は、衿元を華やかに演出します。レンタルの場合は、小物もプランに含まれている場合が多いので、事前に確認しておきましょう。

防寒対策グッズ

卒業式が行われる3月は、まだ冷え込む季節です。体育館などの広い会場は冷え込みやすいため、見えない部分の防寒対策を行う必要があります。

とくに、袴スタイルは足元が筒状になっていて冷えやすいのが特徴です。そのため、インナーによる防寒対策を行いましょう。

長襦袢の下に着るインナーは、襟元や袖口から見えないように、襟ぐりが広く袖の短いものを選ぶのがおすすめです。

また、下半身の冷えを防ぐために、裾から見えない短めのレギンスも取り入れましょう。足元は草履なら足袋、ブーツならストッキングを併用すれば冷えを感じにくくできます。

体調管理のためにも、防寒アイテムは十分に準備しておきましょう。

関連記事:袴を着るときに用意すべき小物にはどのようなものがある?

卒業式用の袴はレンタルがおすすめ!

卒業式の袴を、購入するかレンタルするか迷う方も多いでしょう。一度きりの着用なら、断然レンタルが手軽でおすすめです。

着付けに必要な長襦袢や、多くの小物を1つずつ揃えるのは手間がかかります。しかし、レンタルなら一式セットになっているプランが多いため、便利です。

ここでは、レンタルならではのメリットや注意点を解説します。

長襦袢や小物も一式レンタルで揃う

卒業式の袴スタイルには、長襦袢や帯、半衿など多くの小物が必要です。このような小物をすべて買い揃えるのは、手間も費用もかかります。

レンタルなら、一式セットになっているプランを選ぶことで、準備の手間を大幅に省けるでしょう。

卒業式袴レンタル専門店angeでは、すべてセットで用意できます。人気のレトロ柄や1点ものなど、トレンド袴を豊富に取り揃えているのが特徴です。

小物類もすべてレンタルできるため、刺繍入りの半衿や華やかな髪飾りなど、こだわりのコーディネートが叶うでしょう。

また、下記のアイテムがすべて含まれた「当日お支度パック」なら、当日は手ぶらでOKなのも魅力です。

  • 着付け小物一式
  • 草履
  • 巾着
  • 髪飾り

前撮りや当日の着付け・ヘアメイクも依頼可能です。提携校は全国120校以上と実績も豊富なため、安心して依頼できます。

レンタルのメリット・デメリット

袴をレンタルするメリット・デメリットは、下記のとおりです。

メリット デメリット
  • 手軽におしゃれを楽しめる
  • 流行の柄やカラーを楽しめる
  • 準備の手間を大きく減らせる
  • 思い出として手元に残らない
  • 何度も着る機会がある場合は、購入の方が割安になる

人気の柄は、早期に予約が埋まる点にも注意が必要です。レンタルを検討している場合は、早めの予約と下見をおすすめします。

長襦袢や小物などの準備を万端にして、卒業式を華やかに迎えよう

袴スタイルを美しく着こなすには、袴だけでなく、長襦袢や和装小物などの準備も必要です。事前に準備を整えておけば、卒業式当日は安心して思い出作りに集中できるでしょう。

袴から小物まですべて揃える手間を削減したい方には、卒業式袴レンタル専門店angeの利用がおすすめです。120校以上の学校との提携実績があるため、安心して任せられます。

豊富な種類から、自分好みのスタイルを選べるのも魅力です。幅広いプランを用意しているため、大切な卒業式を素敵な1日にしたい方は、ぜひご利用ください。

>>卒業式袴レンタル専門店angeを利用する

※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※

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この記事の監修者

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中田和代

kazuyo Tanaka

《資格》

日本和装教育協会
専門科 高等師範科 修了
教授科 修了
講師資格 (師範)
花嫁科 修了
時代衣装科 修了
プロデュース科 修了

一般社団法人全日本着付け技能センター
着付け技能士1級