卒業式当日
袴で座るときはどうすればよい?着崩れを防ぐ方法を紹介
学生生活の締めくくりとなる卒業式では、きれいな袴に身を包むことも楽しみの一つではないでしょうか。
その反面、慣れない和装で長時間過ごさなければならないため「途中で着崩れないか心配」「お手洗いに行きたい場合はどうしたら……」と不安な方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、袴で座るときの注意点をはじめ、着崩れを防ぐ方法を紹介します。
学生最後に素敵な思い出を残したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
袴が着崩れる原因とは?
和装は着付けが特有のため、日常的に着る洋服と同じような動作で過ごすと着崩れてしまう可能性があります。
卒業式は家族や友人と写真を撮影する機会も多いでしょうから、できる限りきれいな状態を保ちたいですよね。
まずは以下で、袴が着崩れる主な原因を5つお伝えします。
袴の裾を踏む
裾を繰り返し踏むと徐々に下に引っ張られ、着崩れにつながります。
ロングスカートのように丈が長い卒業式袴は、特に階段を上り下りする際に裾を踏んでしまいがちです。
裾が階段についた状態だと、踏みつけて転んでしまう危険性があるほか、汚れがつく原因にもなります。
そのため、きちんと裾を持ち上げてから階段を利用しましょう。
大股で歩く
大きな歩幅で歩くことも、着崩れの原因になります。
袴は振袖と比べて足の可動域が広く歩きやすいため、特にブーツを履いている方は洋服を着ているときと同じ感覚で無意識に大股で歩いてしまうかもしれません。
和装をしているということを念頭に置いて小さな歩幅を意識すると、着崩れの防止はもちろん、歩き姿も美しくなります。
袴が突っ張った状態で座る
スカートを履いて着席するとき、シワやめくれを防ぐために、手をお尻に添えて服を押さえながら座る方が多いのではないでしょうか。
しかし、袴の着用時に同じ方法で座ると、袴が突っ張り着崩れの原因になります。
椅子に座るときは、袴の両側の切れ込みから手を入れて、後ろ側を持ち上げながら座りましょう。
また背もたれに寄りかかると、帯の後ろのふくらみがつぶれてしまうので、浅く腰かけてください。
上半身から車に乗り込む
乗車時に上半身から乗り込むと、背中を丸める姿勢になるため袴の形状が崩れてしまいます。
また、裾を踏んでしまったり、天井に頭が当たってヘアスタイルが崩れたりする可能性もあるので、車に乗り込むときは注意が必要です。
まずは袴の後ろ側を持ち上げながらお尻から乗り入れるように座ったあと、前側を持ち上げて少しずつ座席側を向いて乗り込むとよいでしょう。
さらに、車に乗ったあとの姿勢にもお気をつけください。
車内のシートに深く腰かけてくつろぐ体勢になることも、袴の形状が崩れる原因になりますので、浅く座り背もたれにもたれかからないのが望ましいです。
気が抜けずに、居心地がよいとは言いがたいかもしれませんが、きれいな形状を保つために欠かせないポイントなのです。
前かがみで物を拾う
前かがみになって物を拾う動作も、着崩れする原因の一つとして挙げられます。
前かがみになると、“上前”という、着物を着用したときの上になる部分が広がりやすくなるほか、袖が地面について汚れる可能性があります。
物が落ちてしまったときは、片手で袖を持ち、伸ばした背筋を維持したままゆっくりとしゃがんで拾ってください。
このように拾えば、着崩れや汚れを予防でき、さらに美しい所作に見えるのです。
また物を拾うときだけでなく靴紐を結び直すときも、しゃがんだり前かがみになったりする必要があるので着崩れにつながります。
ブーツを履かれるご予定の方は、靴紐がほどけないようにしっかりと結んでおくと安心です。
袴や着物の着崩れを防ぐ方法
ここまでお伝えした着崩れの原因を踏まえて、ここからは着崩れを予防する方法を紹介します。
袴を着用するうえでは、着崩れないように過ごすのが重要ですので、きちんと押さえておきたいところです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
階段の上り下り
階段を利用するときは、裾を踏んだり引きずったりしないように持ち上げることが大切です。
袴の両側の切れ込みから手を入れ、上るときは前側を、下りるときは後ろ側を持ち上げて、階段につかないようにしましょう。
そうすることで、裾を踏まずに上手に上り下りできます。
着崩れに気をつけるのはもちろんですが、何よりも身の安全を優先して裾を踏んで転ばないように、階段では慌てずゆっくりと行動することが重要です。
椅子に座るとき
着席するときは、袴が突っ張らないように、かつ後ろのふくらみをつぶさないように気をつけましょう。
袴の両側の切れ込みから後ろ側に手を入れて、持ち上げながら腰を下ろすのが正しい座り方です。
その際、浅めに座り、背もたれには寄りかからないのがポイントです。
着物の両方の袖は、地面や床につかないように折りたたんで膝の上に置いてください。
背筋を伸ばして、足をそろえて座るとさらに上品な印象を与えます。
車に乗り込むとき
すでに記事内で車の乗り方について触れていますが、上半身からではなく、お尻から車内に体を入れるのが、着崩れさせずに車に乗り込むときのコツです。
車に乗るときは、先に荷物を車内に置きましょう。
身軽になったら袴の両側から後ろに手を入れ、持ち上げながら座席に腰かけます。
このときはまだ、体は車の外を向いたままです。
着物の袖をたたんで膝の上に置いたら、今度は前側に手を入れて持ち上げたまま、体を90度回転させ座席側を向きます。
椅子に座るときと同様、帯の後ろをつぶさないよう注意を払い、シートには浅く腰かけてもたれないようにしてください。
走行中は、前の座席をつかむと体が支えられ安定します。
トイレに行くとき
卒業式で主に着用されている袴は、“行灯袴”というスカート式ですので、ロングスカートを履いているときと同じようなイメージでトイレを利用できます。
袴の着用時にトイレを利用する際のポイントは、なるべく広い洋室トイレを選ぶこと、余裕をもって行くこと、手順通りに行うことの3点です。
できるだけ広い洋室トイレを選ぶと、着崩れたり汚れたりするリスクを軽減できます。
また、時間がなく焦っていると手順を間違えてしまう可能性があるので、余裕をもって行くことも重要です。
手順については、下記をご覧ください。
トイレでの動作手順
- 洋式便座の蓋を開ける
- 衿元をハンカチで覆う
- 袴の裾をめくり上げる
- めくり上げた袴の裾に着物の袖をまとめる
- 着物、長襦袢の順番にめくり上げる
- 肌着でひとまとめに包んで持ち上げる
- ショーツを下ろして便座に座る
- 便座の蓋を閉めて水を流す
- 裾を肌着、長襦袢、着物、袴の順番でもとに戻す
- 個室を出る
個室を出て手を洗う際も、袖口を濡らさないように気をつけてください。
何をどの順番で着ているのか、着付けの構成と手順さえ把握していれば難しくありませんので、当日焦らずスムーズに行えるように、上記の手順をぜひ覚えておきましょう。
着崩れた袴や着物を直す方法
慣れない和装をしているときは、どれだけ注意していても、着崩れてしまう可能性が十分にあります。
万が一着崩れてしまっても、対処法がありますので過度に心配する必要はありません。
ただし、慌てて対処したり誤った方法で直したりすると、かえって着崩れが悪化する場合がありますので、その点は気をつけたいところです。
以下では崩れた箇所ごとの直し方を説明しますので、着崩れ時の応急処置としてぜひお役立てください。
袴が下にずれてきた場合
袴が下がってきたときは、袴と帯を同時に持ち上げれば対処することができます。
その際、着物まで持ち上がらないように、着物を下に引きながら袴と帯を一緒に持ち上げてください。
ただし、この方法はあくまでも応急処置であり、一度帯をほどいてからリボンや結び目を作り直すのが本来の直し方です。
袴と帯を同時に持ち上げてもなお、下がってくる場合は帯を締め直さなければならない可能性があります。
袴の紐がほどけた場合
袴の紐がほどけたときの対処法は、結び直しです。
その際、再びほどけてしまわないようにしっかりと結びましょう。
蝶結びをしたあとに片側の端を結び目の後ろから通し、上から出して結び目を隠してください。
衿元が崩れた場合
衿元が崩れてしまったときは、以下の手順で調整できます。
衿元が崩れたときの直し方
- 右手を袴の右側の切れ込みに入れ、下前(着物を着たときに下になる部分)を持つ
- 左手で衿先をつかみながら右手で引っ張って整える
- 左側も同じように下に引っ張って整える
強く引っ張ると背中の中心線がずれる可能性があるため、あまり力を入れ過ぎないように加減しましょう。
袴で座るときは突っ張らないように浅めに腰かける!着崩れを防いで華々しい卒業式を
今回は、袴で座るときに気をつける点や、着崩れを防ぐ方法を紹介しました。
座るときは、袴が突っ張らないように、切れ込みから手を入れ後ろ側を少し持ち上げながら腰かけるのがポイントです。
その際、浅めに座り、後ろのふくらみをつぶさないようにお気をつけください。
また、階段の利用時は裾を踏まないように注意を払い、トイレの利用時の手順は事前に覚えておくことが大切です。
着崩れを予防し美しく品のある姿で、素敵な卒業式を過ごしましょう。
卒業式の袴レンタルならアンジュにお任せください。
トレンドを押さえた豊富な種類の卒業式袴をご用意していますので、お気に入りの1着が見つかるはずです。
※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※