卒業式当日

袴が着崩れてしまう原因と着崩れ防止に効果的な方法を紹介

袴は日本の伝統的な和装であり、成人式や卒業式といった人生の節目に身につける服装としても人気があります。

しかし、装いが乱れる「着崩れ」を起こすと、せっかくの着付けが乱れて、見た目の印象を損ねる可能性があります。
着崩れを防ぐためには、その原因を理解して正しい所作や適切な対策を講じることが重要です。

この記事では、袴が着崩れる主な原因を分析しています。
万が一装いが乱れてしまった場合の対処法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

袴が着崩れてしまう原因

袴が着崩れてしまう原因は、着付けの緩さやサイズの問題、歩行や座り方の問題などが考えられます。

ここからは、袴を着崩してしまう原因を詳しくみていきましょう。

着付けが緩い

袴は、身体の線に沿ってしっかりと着付ける必要があります。
着崩れは小さな乱れから少しずつ全体の崩れへと進むため、「歩いていたら袴が落ちてきた」といったトラブルにも発展するものです。

袴には腰紐や帯といった生地と身体を固定する部分があり、いずれかの結びが甘いとわずかな動きでもずれやすくなります。
着付けが緩くなっていると、少しの動作でも紐がずれて、生地のねじれや袴が下がった状態になるため、しっかりと締めて固定することが必要です。

サイズが合っていない

袴にはいくつかのサイズがあり、体格や体型に合うものを選びましょう。

サイズが合っていないものはきつそうな印象や大きすぎるように見えるため、着用できても少しの動きで着崩れを起こす可能性があります。
丈が長すぎる袴は裾を踏みやすく、一度でも踏むと袴が大きく下がってくるおそれがあります。
サイズの小さいものは、腕や脚の長さと丈が合わず不格好に見えたり、身幅が足りず補正が必要になったりするため、体格に合ったサイズを選ぶことが重要です。

椅子に深く座り込む

袴のまま椅子に深く座ると、背面の布が圧迫されてシワになりやすく、立ち上がると形が崩れてしまうことや、後ろの紐が緩むおそれがあります。
正座や背もたれにもたれるような姿勢も、袴のバランスが崩れやすいため注意が必要です。

椅子に座るときは袴の形が変わらないように、大きな動きは避けましょう。
椅子やソファーには浅めに腰掛けるようにして、背筋は伸ばしたまま姿勢を保つことが、着崩れを防ぐ上で重要なポイントとなります。

大股で歩いている

袴は動きが制限されるつくりのため、大股で歩くと布地が引っ張られ、生地がずれやすくなります。
大股ではなくても、早足で歩いたときに裾が乱れることもあるため、着崩れをしないように注意しなければなりません。

大股での歩行は布が引っ張られるため、歩行が不安定になりやすい点に注意が必要です。
袴の場合はやや内股で、普段よりも小さな歩幅を心がけ、ゆっくりと歩くのが基本です。

着崩れを意識して歩くことで、所作が優雅になり、袴も崩れず見た目の美しさが保たれます。

階段で裾を踏む

階段の昇降や段差を超える際に、袴の裾を踏まないように注意しましょう。
裾を踏むと布が引っ張られて形が崩れたり、紐や帯が緩んだりします。

少しのずれであれば修正できますが、大きく着崩れしてしまうと着付けをし直さなければなりません。
袴を踏んだ瞬間にバランスを崩して転倒の危険もあるため、安全面への配慮も欠かせません。

身体に合わない大きなサイズの袴を着なければならない場合は、丈が長くつくられているため裾を踏まないように手で裾を持ち上げるなど、工夫が求められます。

袴と一緒に身につける草履やブーツも、できれば履き慣れているものを選ぶようにしてください。
履き慣れていないものは足元の感覚が掴みづらいため、裾を踏みやすい点がデメリットです。
草履などを履くときは、歩行に注意しながら段差や階段では裾を持ち上げて対策しましょう。

前かがみになる

前かがみの姿勢は、袴の前側にある生地が引っ張られることで紐が緩む可能性があり、布にたるみが生じ、着崩れの原因となります。

前かがみによる着崩れはものを拾ったり靴を履いたりする際に発生しやすく、日常動作でふとした前傾姿勢をとったときに発生しやすいため、姿勢を工夫することが効果的です。
前方に勢いよくかがむと帯や上着の裾も一緒にずれる場合があるため、生地のほかに紐や帯までずれてくると、全体のバランスが崩れてしまいます。

前かがみの姿勢が必要なときは、膝を軽く曲げてから腰を落とすようにしましょう。

袴の着崩れを防止する方法

次に、袴の着崩れを防止する方法についてみていきましょう。

適切なサイズを選択する

着崩れを防止するためには、身長や身幅に合った適切なサイズの袴を選んでください。
たとえば、ウエスト部分にゆとりがありすぎると帯や紐がずれやすく、しっかり締めていても固定が不十分になり下がることがあります。

袴は上下セットで選びますが、身長だけではなく腰回りの寸法や身体の凹凸も考慮しましょう。
上半身は一般的なサイズだが腰回りが大きい人、筋肉がしっかりとついていて身体が大きい人などは、身体の凹凸によって袴が着崩れすることがあるため、試着したうえでサイズ感を把握することをおすすめします。

着崩れを引き起こしやすい動作を控える

袴の着崩れは、大股での歩行、身体を大きくねじったり開いたりする動作のほか、階段の昇降やストレッチ・伸びといった動作によって起こりやすくなります。

これらの動作を控えて、動きを小さくするだけでも着崩れのリスクが減らせるほか、意図しない帯や紐の緩み、生地のたるみが予防できるでしょう。
椅子へ座る、タクシーや自家用車へ乗るといった動作でも身体を動かすため、袴の着崩れしやすい部分に配慮しながら、裾を持ち上げたり緩みやすい部分を押さえたりして対応しましょう。

補正タオルを活用する

袴などの着物類は直線的につくられているため、体型にかかわらず着物に合うように着付けなければなりません。

補正タオルは、身体の凹凸を減らしたり紐や帯を固定したりするためのアイテムです。
着崩れを防いで着付けを安定させる際に活用するものですが、タオルの巻き方や入れ込み方によっては正しく補正が行えません。

着付けに慣れていない方は、着付けが行える人と相談しながら、身体の凹凸に合わせて補正タオルを活用してください。

袴が着崩れた際の対処法

袴が着崩れたときは、正しい対処法を把握しておけば大きく着崩す心配がありません。
ここでは、着崩れを起こした部位に合わせて対処法をチェックしていきましょう。

衿元が崩れた場合

衿元が開いたときは、鏡の前に立って背中側に引いて衿を引き締めてください。
手が届かないときは他の人に背中側へ回ってもらって紐などを引いてもらいます。

袴の紐がほどけた場合

袴の紐がほどけたときは、前後の紐を結び直します。
トイレや更衣室に入り、紐をしっかりと結び、緩みが出ないように、しっかりと整えることが重要です。

袴が落ちた場合

袴が落ちたときは、元の位置まで持ち上げてから内側の帯を締めましょう。
次に、袴の前後にある紐を結び直して固定し、元の形に整えます。

着崩れがひどく元に戻らないような場合はその場で直そうとせず、一度脱いでから履き直し、帯や紐を正しい位置で締め直しましょう。

袴が着崩れする理由を知って防止に役立てよう

袴の着崩れは、衿元の乱れや紐のゆるみ、袴が落ちるといったトラブルが多くみられます。
着崩れの原因と対処法を知ることで、正しい姿勢や体勢で美しい状態を保てますが、袴の構造や履き方も把握しておくとさらに効果的に着崩れを予防できるでしょう。

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この記事の監修者

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中田和代

kazuyo Tanaka

《資格》

日本和装教育協会
専門科 高等師範科 修了
教授科 修了
講師資格 (師範)
花嫁科 修了
時代衣装科 修了
プロデュース科 修了

一般社団法人全日本着付け技能センター
着付け技能士1級