着物・袴デザイン
袴の柄がまわりに与える印象とは?柄がもつ意味や特徴を解説

袴は、卒業式や伝統的な行事、式典などで身につける日本の伝統的な装いです。
色や柄、小物の組み合わせを工夫することで自分らしいスタイリングやコーディネートが楽しめるため、フォーマルな場だけではなく観光やパーティなどでも袴を着用することができます。
袴にあしらわれる色柄は多様で、華やかな配色から落ち着いたデザインまで選ぶことができます。
この記事では、袴の柄がもつ意味や周囲に与える印象を詳しく紹介します。
目次
袴の柄が周囲に与える印象
袴に選ぶ柄によって、周囲に与える印象は大きく変わります。
ここでは、柄の特徴に基づいて周囲に与える印象を解説します。
古典
古典柄とは、桜や梅などの植物、鶴や扇のような伝統的なモチーフをあしらった柄のことです。
いずれも落ち着いた雰囲気が特徴で、周囲とかけ離れるような奇抜さはありません。
袴にあしらう場合、古典的で格式のある印象を与え、上品な雰囲気を演出します。
卒業式やその他の式典にふさわしく、柄を目にした人に「伝統を大切にしている」「上品で雰囲気が良い」といったポジティブな印象を与えられるでしょう。
モダン
モダン柄は、古典柄とは反対に新しく取り入れられた模様や柄、モチーフを指します。
幾何学模様や抽象的なデザインがモダンと呼ばれますが、特定の柄を指定するものではありません。
伝統的な意匠にはない新しくユニークな雰囲気と、個性を強く印象づけるため、周囲とかぶらない柄を求める方に向いています。
周囲には「個性的」「センスがある」といった印象を与えやすく、写真映えも期待できる柄です。
レトロ
レトロ柄は、牡丹などの大ぶりな花柄をあしらい、独特な配色で大正や昭和の時代を感じさせるデザインです。
どこか懐かしさを感じさせつつも、可愛らしさと個性が際立ちます。
「人とは違うおしゃれを楽しんでいる」「感性が豊か」といった印象を与え、古さを感じさせない点が魅力です。
無地
無地の袴は、柄が入っていないシンプルなデザインで、控えめながらも落ち着いた上品さを演出します。
「落ち着いていて真面目」「品がある」という印象を持たれやすく、どんな場面にもなじみやすい点が特徴です。
ベーシックなデザインのためどのスタイリングにも合わせられ、あえて無地を選ぶことで洗練された大人っぽさを与えます。
袴に用いられている柄の意味
袴に用いられる柄には、日本固有の伝統や美意識が込められています。
ここからは「桜」や「市松」などの柄について、意味をみていきましょう。
桜
桜は日本各地の野山に生息する植物であり、春を表す季語としても用いられる花です。
「美しさ」や「優美さ」といった美意識を示すとともに、春の花であることから「門出」「希望」を表すことがあります。
卒業式や入学式といった人生の節目にもふさわしく、人生のスタートを祝う際に用いられる植物です。
椿
椿は冬から春にかけて花を咲かせる植物で、寒冷な季節や日陰のような寒い場所でも華やかな花弁をつけることから「生命力」を表します。
平安時代の日本では、高貴な花または邪気を払う厄除けの花として重用されていました。
邪気を払うという前向きな意味と、美しい外観から、袴や浴衣の柄にも多く用いられます。
梅
梅は桜よりも早い早春に咲く植物で、厳しい冬も乗り越える力強さから「忍耐」を示す花です。
開花時期が桜と重なるため、「清らかさ」や「美しさ」の象徴とされることもあります。
見た目の美しさに加えて、冬を乗り越える力をもつ梅には努力や成功の意味合いもあり、学問や成功への祈りが込められます。
松
松は一年を通じて色が変わらない常緑樹であり、美しい緑色を保つために、「不老長寿」「繁栄」を意味する植物です。
なかには樹齢数百年を超えるものもあり、長寿の象徴であると同時に「(しっかりと)根付く」「根気」「地に足がつく」といった意味も込められます。
秋や冬を耐え抜く植物のため、縁起の良い柄として扱われています。
鶴
鶴は平均寿命が長く、古くから「千年生きる」ともいわれる長寿の象徴です。
つがい同士の絆が強いために「幸福」「夫婦円満」といった意味も込められ、そこから派生して「平和」や「吉兆」として考えられることもあります。
鶴をあしらった柄は成人式や卒業式といった人生の節目にはもちろん、結婚やその他のお祝いや晴レの日にも適しています。
牡丹
牡丹は古くから邪気を払う花として知られ、無病息災の願いが込められる植物です。
「花の王」「百花の王」として、幸福や富の象徴でもあり、丸みを帯びたフォルムは女性的な美しさを想像させます。
華やかな外観と縁起の良さから、品格のある高貴な女性を表し、着物や袴のモチーフとしても人気があります。
短冊
短冊は、願い事を書いて飾る紙のことです。
古代の中国では5つの色を使い、色ごとに異なる願いを込めていました。
たとえば黄色は財運、白は清浄な心というように願いを込め、そこから転じて「教養」「願い事が叶う」といった意味が知られるようになりました。
袴や浴衣の柄として用いられるときは、知的でユニークな柄として使われています。
薔薇
薔薇(バラ)は、1800年代に中国から日本に伝来し、「愛」「情熱」の象徴として知られる植物です。
良い香りと豪華さや華やかさを感じさせる外見ですが、和装の柄にも取り入れられており、桜や椿など日本的なデザインとは違ったユニークさがあります。
バラをあしらった柄はロマンチックで与えるため、モダンなスタイルによく合います。
七宝
七宝(しっぽう)は、円形が連鎖してつながる模様で、仏教の中に登場する七つの宝に由来すると言われる柄です。
日本では古くから「円満」「調和」を意味する柄として重宝され、人との絆や縁を表しています。
古典柄の一種ですが、配色によってはレトロモダンな雰囲気が演出できます。
亀甲
亀甲(きっこう)は、亀の甲羅に似た六角形をつなげたモチーフです。
亀は古くから「長寿」の象徴として知られ、長生きや健康、健やかに成長することを願うためにあしらわれてきました。
家紋にも取り入れられており、長寿や繁栄を願う意味が込められたモチーフです。
市松
市松(いちまつ)は、2種類の配色の四角形を格子状につなげた市松模様として知られるデザインで、上下左右につながることで「永遠」「発展」などを意味しています。
格子状の柄はとてもシンプルですが、日本では古墳時代からあしらわれてきた伝統的な模様でもあります。
古典柄でありながら古さを感じさせず、汎用的なデザインとして人気があります。
矢絣柄
矢絣(やがすり)柄は、矢羽を上下左右に配置した伝統的な模様です。
矢は弓とともに武器として使われ、それ自体が「魔除け」の意味をもちます。
また、まっすぐに飛んだまま戻ってこない性質をもつため、「出戻らない」という意味で、かつては、幸せな結婚を願う意味も込められていました。
卒業式などの式典では、学校を卒業し未来へとまっすぐに進む決意や、進路や目標に向かって後戻りせず進むことを願う柄として親しまれています。
袴レンタルは色や柄のもつ意味と印象で選ぶ
今回は、袴に使われる色や柄が与える印象や、それぞれに込められた意味や特徴について解説しました。
伝統的な衣装である袴と古典柄は定番の組み合わせですが、モダンやレトロといった柄も人気です。
袴レンタルのアンジュは、トレンドを押さえた袴を豊富に取り揃えています。
こだわりの1点物や刺繍衿など、自分だけのスタイリングも楽しめるほか、当日の着付けや前撮り撮影サービスも提供しています。
好みやこだわりから、お気に入りの一着を見つけてみてはいかがでしょうか。
※この記事は公開当時の情報を元に作成されています。 レンタルプラン・商品情報・金額などに関しては年度ごとに異なる可能性があり、 記事内には取り扱いのないサービスが含まれていることがございます。 ご予約の際は最新の情報をご確認ください※
この記事の監修者

中田和代
kazuyo Tanaka