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袴にブーツはおかしい?失敗しないブーツ選びのポイント

袴や着物といった和装には、履物として草履を合わせるのが伝統的なスタイルです。
そのため「卒業式の袴にブーツを合わせるのはおかしい?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、袴にブーツを合わせるのは本当におかしいのか? を解説しつつ、ポイントや注意点をお伝えします。
自分らしい装いで卒業式を楽しみ、一生の思い出をつくりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
袴にブーツを合わせてもよい?
「袴にブーツを合わせて変じゃないかな……」と考える方もいるかもしれませんが、結論から言えば、まったく問題ありません。
歴史的背景や現代の卒業式の風潮を見ても、ブーツは袴との相性が良い選択肢の一つとして、広く受け入れられています。
この組み合わせが登場したのは、明治時代後期から大正時代にかけてといわれています。
その後、昭和になって大正レトロブームが巻き起こり、袴にブーツを合わせるスタイルが卒業式のファッションとして定着しました。
「袴にブーツはおかしい」と感じるのは、いまだに“和装には草履”という伝統的なイメージが強いからかもしれません。
ブーツと草履にはそれぞれ異なる良さがあるため、卒業式という特別な日には、ご自身の好みや理想のスタイルに合わせて選択するのが一番です。
袴にブーツを合わせるメリット
袴にブーツを合わせるスタイルは、機能性とファッション性の両方のメリットを併せ持つ、実用的なコーディネートです。
ここでは、その具体的なメリットを紹介します。
メリット①レトロでハイカラな雰囲気が出せる
袴にブーツを合わせると、クラシックな大正ロマン風のスタイルを楽しめます。
日本の伝統と西洋のモダンな要素が融合したこの組み合わせは、独特の魅力を放ちます。
レトロ感のある幾何学模様や鮮やかな色彩の袴にブーツをプラスすることで、時代を超えたおしゃれな印象を演出できるでしょう。
袴にブーツというハイカラな組み合わせが周囲からも注目を集め、思い出に残る素敵な卒業式になるはずです。
メリット②スタイルが良く見える
ヒール付きのブーツを履けば、脚が長く見え、全体のスタイルがスラリとした印象に仕上がるというメリットもあります。
特に、濃い色のブーツを選ぶと足元が引き締まり、よりバランスの取れたシルエットを作りやすくなります。
また、草履よりも靴底が厚い分、身長が高く見えるのもうれしいポイントです。
写真映えを意識したいシーンでも、自信をもって臨んでください。
メリット③足元を防寒できる
袴にブーツを合わせる魅力としては、防寒対策ができる点も挙げられます。
草履の場合は足袋しかはくことができず、寒さを感じやすいですが、ブーツなら中にタイツや靴下をはくことが可能です。
卒業式は一般的に春先に行われるため、寒さが厳しいことも少なくありません。
快適に過ごすためには、防寒対策にも気を配ることが大切です。
また、ブーツは悪天候にも強く、雨や雪で足元が濡れる心配がないため、天候に左右されず安心して着用できます。
メリット④履き慣れていて歩きやすい
普段履き慣れたブーツであれば、草履に比べて歩きやすく、長時間の式典や移動で疲れにくいのもうれしいポイントです。
特に、袴や着物を初めて着る方にとっては、慣れた靴で過ごせるのは大きな安心材料となるでしょう。
また、足が痛くなりにくいので、式典後に友人たちと移動したり写真を撮ったりといった、アクティブな時間を思い切り楽しむことができます。
袴にブーツを合わせるデメリット
袴とブーツの組み合わせには、機能性とファッション性の面で多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。
まず、ブーツは草履に比べて脱ぎ履きが面倒な場合があります。
特にレースアップやファスナー付きのブーツは、手を使わなければ着脱できず、その都度しゃがみこまなければなりません。
そのため、頻繁に脱ぎ履きする場面では、不便に感じることもあるでしょう。
また、歩くたびにブーツの靴紐やファスナー部分が着物の裾に触れることで、生地を傷める可能性があります。
大切な袴を傷つけないためには、装飾の少ないシンプルなブーツを選ぶことや、裾裏にあて布を施すといった工夫が必要です。
これらの点に注意してブーツを選べば、袴とブーツのコーディネートを安心して楽しめます。
ブーツを選ぶ際のポイントは次の項で解説しますので、参考にしてください。
袴に合うブーツを選ぶ際のポイント
袴にブーツを合わせるときには、全体のバランスや雰囲気を考えた選び方が重要です。
ここでは、特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
ポイント①色・デザイン
袴に合わせるブーツは、シンプルで落ち着いたデザインが適しています。
色は黒やこげ茶などの濃い色が定番ですが、着物の色味に合わせて白やベージュなど淡い色のブーツを選ぶと、おしゃれな印象になります。
クラシカルな印象を与えることから編み上げタイプが人気ですが、シンプルなデザインのブーツでも問題ありません。
また、つま先の形状は丸みのあるものより、少し尖ったデザインのほうが袴との相性が良く、全体が綺麗にまとまります。
以上の点を押さえたうえで、派手な装飾や柄のあるデザインは避け、全体のコーディネートを引き立てるブーツを選びましょう。
ポイント②ヒールの高さ
適度な高さのヒールがあるブーツは、足元をスッキリ見せる効果があります。
おすすめのヒールの高さは3~5cm程度で、歩きやすさとスタイルアップの両方を兼ね備えています。
10cm以上の高すぎるヒールや厚底タイプは、歩きにくく不安定なので、避けるほうが無難です。
袴の着用時には歩きやすさも大切なので、無理のない高さのブーツを選ぶのがポイントです。
【関連記事】卒業式の袴に合うブーツの長さは?ブーツと草履の魅力を比較
ポイント③ブーツの丈
ブーツの丈は、足首が隠れる程度のショート丈からミドル丈が定番です。
筒丈(かかとから履き口までの長さ)が15~20cmほどのものを選ぶと、袴の裾から足が見えず、全体が綺麗にまとまります。
丈が短すぎると素足が見えてしまい、袴の雰囲気を損ねることがあります。
また、ロングブーツがだめなわけではありませんが、着脱に手間がかかる点は心得ておきましょう。
袴に合わせるブーツの種類
ブーツを選ぶ際に見るべきポイントは、ご理解いただけたでしょうか。
次に、ブーツの丈の長さごとに、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ショートブーツ
ショートブーツは、袴と合わせる際に足首が見えることで、脚を長く見せられます。
カジュアルな印象を演出できるため、特に色や柄が明るい袴との相性はばっちりです。
洋服用に購入したショートブーツを合わせるのも、良いかもしれません。
ただし、袴の長さによっては、素足が見えてしまうこともあるので注意が必要です。
ミドルブーツ
どのような袴にも合わせやすい丈感のミドルブーツは、袴とのバランスが良く、フォーマルで落ち着いた印象を与えてくれます。
多くの袴レンタル専門店で取り揃えているのは、編み上げタイプのミドルブーツです。
くるぶしから10cm程度の長さを目安に選ぶとよいでしょう。
ロングブーツ
ロングブーツは、コーディネートに大胆な華やかさを加えてくれます。
ただし、ショートブーツやミドルブーツに比べて脱ぎ履きが面倒なうえ、歩きにくさを感じることがある点には注意しなければなりません。
袴の裾と重なってせっかくのブーツが隠れてしまうおそれがあるので、袴は通常より1サイズ小さいものを選ぶのがおすすめです。
袴にブーツを合わせる際の注意点
袴にブーツを合わせるときは、全体のバランスを整えるための工夫が必要です。
以下の注意点を意識することで、より美しい袴スタイルに仕上がります。
袴の裾は少し高くする
袴にブーツを合わせる際は、裾の位置が通常より少し高くなるように調整しましょう。
草履の場合はくるぶしが隠れる程度の高さが適切ですが、ブーツの場合はくるぶしが見える程度の高さに合わせると、足元がスッキリ見え、全体のバランスが良くなります。
また、ブーツが適度に見えることで、スタイルアップ効果も期待できます。
特に5cm程度のヒールがあるブーツを履くと、脚を長く見せる効果があり、袴姿をより引き立ててくれるはずです。
タイツやストッキングを合わせる
袴にブーツを合わせる際には、足袋の代わりにタイツやストッキングを履くのが一般的です。
ブーツの丈が短い場合や大きな動作をした場合に、タイツやストッキングが見えることもあるため、見えても違和感のない色を選びましょう。
黒やダーク系の色を選んでおくと、万が一ブーツを脱ぐシーンがあったときも安心です。
また、タイツやストッキングは防寒対策としても役立ちます。
【関連記事】卒業式を袴姿で過ごすために必要なものを紹介
袴にブーツが合っていないと思われてしまうシーン
ここまででお伝えした通り、袴にブーツを組み合わせても基本的に問題ありませんが、ときには適さないシチュエーションや条件もあります。
大事なイベントで失敗しないように、以下の内容を頭に入れておきましょう。
TPOに適していない
フォーマルな場では、袴にブーツを合わせることが適切ではない場合があります。
結婚式や伝統的な式典、子どもの七五三といった場面では、和装の格式を重んじることが重要視されるため、ブーツよりも草履を選ぶのが一般的です。
一方で、フォーマルシーンのなかでも卒業式や成人式など、自分自身が主役となるような式典では、袴にブーツを合わせても問題ありません。
これらのイベントでは伝統的な要素に個性をプラスしたスタイルも受け入れられやすく、自分らしい袴姿を楽しめます。
TPOを踏まえたうえで、その場にふさわしいコーディネートを選ぶようにしましょう。
ブーツが派手過ぎる
ブーツの色やデザインが派手過ぎると、袴とのバランスが崩れ、全体のコーディネートがチグハグに見えてしまうため注意が必要です。
特に、柄物や装飾が多いブーツは、袴や着物の華やかな柄とぶつかり合い、両方の魅力を損ないかねません。
そうならないために、落ち着いた色味やシンプルなデザインのブーツを選びたいところです。
たとえば黒やダークブラウンのような定番カラーなら、どのような色柄の袴とも合わせやすく、全体を引き締めて見せる効果があります。
派手さよりも全体の調和を重視し、袴の美しさを引き立てることを意識しましょう。
袴にブーツを合わせる際には、場の雰囲気や全体のコーディネートを考慮することで、より洗練された印象を与えられます。
袴にブーツを合わせるのは一般的!草履でなくともおかしくない
本記事では、袴にブーツを合わせても問題ないかどうかをお伝えし、ポイントや注意点を解説しました。
袴にブーツを合わせるスタイルは一般化されており、不自然ではありません。
履きなれているブーツは動きやすく、防寒対策にもなります。
卒業式はせっかくの晴れ舞台ですから、デザインやヒールの高さに注意しつつ、自分らしいコーディネートを楽しんでください。
また、ブーツ選びが重要であるのと同時に、主役である袴にこだわるのも忘れてはなりません。
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この記事の監修者

中田和代
kazuyo Tanaka