着物・袴デザイン
卒業式袴は色で印象が変わる!人気の組み合わせもご紹介

大学の卒業式などで身につける袴は、バリエーションが豊富で自分の好みに合わせて選べる楽しさがありますよね。
ただし、上の着物と色味のバランスが取れていないと、ちぐはぐな印象になってしまうことがあります。
この記事では人に与える色の印象と、センスが良いと思われる着物と袴の色の組み合わせをご紹介します。
卒業式という大切な行事に向けて、ぜひ本記事をお役立てください。
目次
色が与える印象
色にはそれぞれ特徴があり、私たちの心理や行動に大きな影響を与えています。
ここからは、色から連想される印象やイメージについて解説します。
白色
白色は、無彩色のなかでもっとも明度が高い色です。
“清楚”で“純粋”なイメージを与えるので、ピンク色ほど甘すぎず、かわいらしさを演出することができます。
また真っ白よりも少しクリームがかったオフホワイトは、柔らかくフェミニンな印象を与えてくれます。
なお、白色はどんな色とも相性が良いので、取り入れるだけでバランスの良いスタイリングになること間違いありません。
赤色
“エネルギッシュ”“情熱”“パワフル”とイメージされる方が多い赤色は、周りにもインパクトを与える色です。
ひと口に赤色といっても、ビビッドな赤から落ち着いたえんじ、深みのあるボルドーなど、さまざまな色味があります。
いずれも未来に羽ばたく力強さや勇気などポジティブな感情を表現するには、おすすめの色です。
また元気で華やかな印象を与えるため、卒業式などのお祝いごとの場で非常に好まれています。
ピンク色
ピンク色は無邪気さや甘さを意味する色で、儚い印象を与えます。
そのため、“かわいい”“ロマンチック”“ガーリー”といった言葉を連想する方も多いでしょう。
さらにピンクには、怒りを鎮め優しく幸福な気持ちにさせてくれる効果もあります。
「自分にはガーリーすぎるかも……」と感じるかもしれませんが、肌なじみの良いサーモンピンクや、白みがかったベビーピンクなどピンクの色味はさまざまです。
お気に入りのピンク色を見つけて、取り入れてみてください。
オレンジ色
“暖かさ”“明るさ”“元気”などの意味があるオレンジは、太陽のような陽気で活発なイメージを与えてくれるビタミンカラーです。
赤と黄色の中間色で、それぞれの色の魅力を兼ね備えています。
パーソナルカラーがイエローベース(イエベ)の方には、オレンジ色がなじみやすく顔色が明るくなるのでおすすめです。
身につけるだけで心も晴れやかな気持ちになるので、フレッシュな印象にしたい方にぴったりな色味です。
黄色
見ているだけで気分が明るくなる黄色は、“元気”“希望”といった活動的なイメージがあります。
目を引くような明るい黄色だけでなく、クリーム色のようなパウダーイエローや、マスタードのようなからし色を選ぶのも印象が変わるのでおすすめです。
「子どもっぽくなりそう……」と思うかもしれませんが、ダークトーンの黄色を選べば、大人っぽく落ち着いた雰囲気になりますよ。
緑色
どこか落ち着いた印象を与え、“安心感”や“調和”を表すのが緑色ですよね。
木や森、葉っぱなど、自然のなかにある色なので、リラックス効果もあります。
緑色自体は、赤色や黄色と比べると目立つ色ではありませんが、だからこそ和の伝統的な雰囲気や美しさが際立つ側面があります。
特にモダンなダークトーンの緑は、落ち着いた女性の魅力を底上げしてくれるような上品な色味です。
青色
光の三原色の一つである青色は、海や川、空を連想させる色です。
自然のなかにある色味なので「なんだか落ち着く」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
清々しい印象から、“知的”“誠実”といったイメージをもたれる方が多いようです。
特に肌の色がブルーベース(ブルベ)の方は、青色を身につけると顔色が明るくなり透明感が増します。
ターコイズブルーやアイスブルーから瑠璃色や紺色まで、青色の種類はさまざまです。
華やかな印象にしたい方は水色や鮮やかな青色、落ち着いた印象にしたい方は紺色が似合います。
紫色
紫色は、“上品”で“高貴”な印象を与えます。
現に仏教の世界で最高位の僧侶が身につける袈裟の色は、大部分の宗派で紫色です。
かの聖徳太子が定めた冠位十二階制度でも、紫色が最上位の色だったことから、昔から身分が高い方が身につける気品高い色だとうかがえます。
紫色は、エレガントなスタイルにしたいときに取り入れると、色の特性から神秘的な魅力が増します。
その際は、赤色やピンク色に近い紫色よりも青色に近い紫を選ぶと、雰囲気が際立つでしょう。
黒色
黒色は、“重厚感”があり“権威”を感じさせる色味です。
シックで大人な印象にするだけでなく、モードでかっこいい雰囲気に仕上げるのにも欠かせません。
ただし黒色を身につける際は、ワンポイントの刺繡や柄が入っているものを選んだり、ほかの色を差し色として取り入れたりするのがよいでしょう。
黒一色の装いは威圧感が増し、近寄りがたい雰囲気になってしまうこともあるからです。
黒色の特性を生かして、高級感やきらびやかさを強調できると、周りと差をつける着こなしができますよ。
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卒業式の袴を組み合わせるときのポイント
袴は上下のコーディネートが楽しめることが魅力ですが、大切なのは色合いのバランスです。
そこでここからは、袴の色合わせのポイントを解説します。
色相環を確認する
色は虹色のように“赤→橙→黄→緑→青→藍→紫”の順に、光の波長の違いによって認識されます。
この色の変化をリング状に並べたものが、“色相環”です。
隣り合う色は“同系色”、向かい合う色は“補色”とよばれ、この色の関係を理解して組み合わせることが、センスの良いコーディネートの鍵を握ります。
同系色または補色の組み合わせが与える印象を、以下で解説します。
調和させたいときは同系色で組み合わせる
上に着る二尺袖着物と袴を同系色で組み合わせることで、色がなじみ統一感が出ます。
たとえば紺色の着物に水色の袴や、赤色の着物に紫色の袴などの組み合わせは、隣り合う同系色なのでバランスも良く落ち着いた印象になります。
メリハリを出したいときは補色で組み合わせる
着物と袴を向かい合う補色でコーディネートすると、視覚的にメリハリが出て、より際立つスタイルになります。
たとえば、黄色の着物に紫色の袴や、赤色の着物に緑色の袴などは、遠くからでもパッと目を引くような組み合わせです。
私服では奇抜と感じる色の組み合わせも、袴であれば挑戦しやすく、おしゃれ度の高いこなれた印象に見せてくれます。
またモードな雰囲気にしたい方は、白色と黒色の組み合わせも外せません。
小物で差し色を追加して、自分らしいスタイルにするのもよいですね。
肌の色に合った卒業式の袴の選び方
「たくさんありすぎて自分に合っている色がわからない……」という方は、肌のトーンに合わせて袴を選ぶのはいかがでしょうか?
ここからは、それぞれの肌色に似合う袴の色や、組み合わせにおすすめな着物の柄をご紹介します。
色白
肌に透明感のある色白の方は、やわらかな淡い色や、白みがかったグレーが似合います。
明るい色を選べば、肌の透明感もさらに際立つでしょう。
色白の方に似合う袴の色
- 白色
- ピンク色
- 淡い黄色
- 水色
- 明るい紫色
- 白っぽいグレー
- ベージュ
オフホワイトや紺色などを用いたシンプルな上下ワントーンでも、上品かつ統一感が出て様になるのが色白の方の魅力です。
花柄や女の子らしいモチーフを取り入れた着物を組み合わせても、可憐で少女のような雰囲気を醸し出せるでしょう。
明るい肌色
肌のトーンが明るい方は、かわいらしいビタミンカラーの袴を選ぶのがおすすめです。
特にオレンジ色や黄色、黄緑など同系色で組み合わせると、さらにフレッシュな印象になります。
明るい肌色の方に似合う袴の色
- サーモンピンク
- オレンジ色
- 黄色
- 黄緑色
全体的に色の彩度が高いので、上の着物は伝統的な柄に現代風の色味を加えたレトロモダンで仕上げると、華やかな印象になります。
オークル系
健康的でしっかりとしたオークル系の肌色の方は、深みのある落ち着いた色味を選んだほうが、よりなじみます。
オークル系の方に似合う袴の色
- 茶色
- からし色
- 深緑
- 紺色
- 濃い紫色
着物の柄も、矢羽根(やばね)柄や花柄などの伝統的なものを選ぶと、明度や彩度が低い袴の色味に対してバランスが取れ、クラシックな印象に仕上がります。
また、大胆な幾何学模様を取り入れるのも、ダークトーンの袴に合う個性的な着こなしになるので、ほかの人と被りたくない方にぴったりです。
袴と着物の人気の組み合わせ
卒業式袴は、上の着物と袴を自由に組み合わせられるのが醍醐味です。
ここでは、それぞれの人気の組み合わせをご紹介します。
赤色の袴
赤色には、バラのような鮮やかな赤からワインのような色味のボルドーまで、そのバリエーションは豊富です。
赤色の袴に合わせるのであれば、上の着物は同系色のピンク色や紫色で合わせると、はやりのレトロな雰囲気を醸し出せます。
反対に、補色の緑色を合わせると鮮やかで華やかになりますし、無彩色の黒色を合わせるとシックな印象になります。
黄色の袴
パウダリーなイエローから、からし色、山吹色までさまざまな黄色があります。
袴としてよくあるのは、からし色や山吹色など明度・彩度ともに低い黄色であることが多いでしょう。
黄色の袴に合わせるのに相性が良い着物は、オレンジや緑といった同系色です。
明るい印象になるだけでなく、統一感も演出できます。
反対に補色である紺色の着物を選ぶと、一気にメリハリが出ておしゃれな雰囲気になります。
「卒業式こそインパクトのある着こなしがしたい!」という方は、補色の袴を組み合わせるのがおすすめです。
緑色の袴
緑色のなかでも深い緑、いわゆるモスグリーンは品格があり、みやびな印象です。
定番の赤色や紺色に比べると、他人と被りにくいのも魅力の一つです。
緑色は、暖色でも寒色でもない中性色に分類されます。
そのためどのような色とも相性が良く、なりたい自分に合わせてコーディネートが楽しめます。
深い緑色の袴と合わせる着物は、同系色でも補色でも明度の高い色味を選択したほうが、よりメリハリが出るでしょう。
落ち着きのある仕上がりにしたい方は、ダークトーンでまとめて上品な印象にしてもよいですね。
紺色の袴
華やかさだけでなく、知的な印象も与える紺色は、誰が身につけても似合う好感度の高い色です。
特に深みのある紺色はその印象が強く、卒業式袴の定番色となっています。
寒色でクールな印象がありますが、ゴールドの刺繍が入ったものなどを選ぶと、補色の関係から華やかさがアップします。
紺色の袴には同系色の水色の着物でまとめるのが、すっきりとして統一感も出るでしょう。
「人と被りたくない!」という方は、上下とも紺色のワントーンでまとめて、小物の色で遊ぶ上級者コーデに挑戦してみてはいかがでしょうか?
紫色の袴
上品な紫色は、卒業式の場にふさわしい色です。
ピンクのようなあやめ色や彩度の高いライラック、紺色に近いような茄子紺や紫紺までバリエーション豊かな色味の袴が用意されています。
着物との組み合わせは、色相環に従って同系色や補色から選ぶことを基本にします。
補色である黄色は目を引く鮮やかな印象になりますが、エレガントな紫を引き立てたいのであれば、やはり同系色を選びましょう。
赤色のみならず、無彩色の黒色を合わせるのも、モダンでクラシックな印象になるのでイチオシです。
黒色の袴
無彩色の黒色は、どのような色にもマッチするので失敗がありません。
着物を華やかな赤色や紫色にしても、黒い袴を合わせるだけで一気に全体が引き締まるので、着物の魅力を引き立てる万能色といわれています。
また、黒い袴には同じ無彩色である白色を組み合わせてモノトーンコーデにするのも鉄板ですね。
モダンでクラシックな印象にも、モードな現代風にすることもできます。
金髪や明るい茶髪の方は、雰囲気が出るので非常に似合います。
卒業式袴の色は、同系色と補色を意識して組み合わせるのが鉄則!
本記事では、自身に合った袴の色の選び方や組み合わせを解説しました。
卒業式袴の色は、明るい色味を選ぶとかわいらしくフレッシュな印象になり、落ち着いたダークな色味を選ぶと、大人っぽくモダンな雰囲気を醸し出せます。
「どの色が似合うかわからない……」という方は、自身の肌のトーンに合わせて選んでみてもよいでしょう。
上下を組み合わせる際は、同系色や補色を意識して自分好みに仕上げてくださいね。
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この記事の監修者

中田和代
kazuyo Tanaka